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岩手スマート農業祭トリニティ行ってきました。

というよりは、同時開催の【東北地域スマート農業推進セミナー】で東北農政局から講演をお願いされて行ってきたんですが、講演前に会場を見たら時間が足りなくて、次の日社員連れて皆で見てきました。講演は会場200席がパンパン。オレの序盤、立ち見の方も居ましたね、嬉しい限りです。今回は農政局の要望で「低コスト大量生産型と持続可能な有機農業」みたいなテーマがあったので、それをどうスマート農業で実現できるのか。地域の課題を織り交ぜながら、自分で実証実験しているスマート農業の考察と、自分の経営モデルが描く未来を語らせていただきました。

そう、未来を語ってます。ここが重要で、決して実績を語ってるわけではないんです(笑)

もちろん、自分のところで実証実験している技術は説明できますけど、オプティムさんや、石川県の産業技術センターさんとの共同実験なので、ぶっちゃけた話そっちの人から聞いた方が専門的な細かい事を聞けるでしょう(笑)

じゃ、なぜオレなのか。オレが実際に今やっているのは【「最先端のスマート農業で低コスト化」と「自然栽培で休耕地転換して高付加価値販売」の2つの経営モデルの実践】のみです。たまたま時代の波と出会っていく人たちのおかげでとんでもなく高く売れています。これを「持続可能です」と言っても、実績がまだ1年だから継続的に取引できているわけではない...ので説得力に欠けますよね(笑) ほんと毎回「オレでいいのかな」と思いながら、でも「お願いして良かった」と思ってもらえるように全力疾走してますけども。


『生産性を高める=低コスト』になるスマート技術というのは本当に少ないと思います。ロボット系に関しては、スケールメリットなので規模が大きくないと話にならない。

専業農家にこれから必要な技術と、兼業農家でも導入しやすい技術と、とりあえず今の所うちの地域に必要なのは兼業農家を救うスマート技術であり、経営モデルではないかと思っています。どこまで行っても青森県黒石市は基本的な区画が30aなので。しかも圃場に落差があって区画拡大は地域全体のビジョンになってきますから。


青森県の農家の平均年齢は63歳、めちゃくちゃ若い。まだまだ団塊の世代が元気ですから、そこをエネルギー源にしてやれることはいっぱいある。

パーソル総合研究所の労働者数推計を見ると本当に怖くて、2025年に57万人不足している農業の労働力が2030年には2万人の余剰と結論づけされている。


本当にそんな世の中が来るのか。

経営者としては「最悪」を想定しなければいけないと思っていて。

黒石市には1400haの田んぼがある。「アグリーンハートさん、140haやれませんか?」と聞かれたら、ちょっと頑張ればできる気がする。となると、自分と同じ規模の会社が10社あれば、この地域は担えてしまう。人・農地プランに乗ってる経営体は233。農家の数は兼業農家入れて約3700人。日本は年間人口37万人ずつ減る=需要が減る...ここだけ見てると、2030年に「農家が余剰になる」という結論はとても現実味を帯びますよね。


どんな世の中になるんでしょうか。


農協や市場の使命は「市場(卸売)への安定供給」です。市場があるから市場価格が生まれて、市場があるから隙間産業が生まれます。その隙間を作っているのが生産側ではなく、消費者側だということに気づかないと、市場は飲みこまれてしまう感じがします。


隙間ができたら誰かに塞いでもらうのではなく、隙間を埋める経営体を組んだ方が懸命ですよ。今までは隙間を作る人たちと埋める人たちが別々でしたが、これからはどっちがスキマかわからないくらい、市場が小さくなる気がします。

「市場により隙間ができる→それを埋める→別方向に隙間ができる」このスピードがこれから早くなるし、規模も国内だけではなく世界規模へ。さらにはその方法すらものすごいスピードで進化していってます。生産現場も販売現場も消費者層も完全に2極化するでしょうね。 企業参入ができない生産方法で、行政と連携して地域産業を守り、発信していくことが核になると思っています。


サクっと書いて終わるつもりが、書けば長くなってしまいますね(笑)


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